日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

2019年9月12日ゆっくり話す


先週土曜日は、ベーシックコース 6月土曜教室の最終日でした。

ベーシックコースの最終日は、受講生に、この教室で学んで得たこと、というテーマで3分間のスピーチをしてもらっています。

このスピーチには、その教室のカラーが出ます。


全12回、24時間をともに過ごし、お互いのスピーチを何度も聴いているうちに、受講生同士が互いに影響を受けるのでしょう。

力強いスピーチをする方が多い教室、温かみのある話し方をする方が多い教室、など、それぞれに特徴が出てきます。


今回の6月土曜教室は、皆さん、ゆっくりとした口調で、間を取りながら、落ち着いて話をされたのが印象的でした。

多分、何回目かの講座の実習で誰かがゆっくりと話をされたのを聞いて、他の受講生がそれを見習われたのでしょう。

ほぼすべての受講生が、早口にならず、聞き手の顔をみながら、落ち着いて話をされていました。


話は、内容もさることながら、どのように話すかで聞き手の受け取り方や印象が変わります。

ゆっくりとした口調で話をすると、焦っている感じがしないため、自信があるように感じられ、聞き手に対する説得力が増します。

また、ゆっくり話すと、文章と文章の間に「間」が取れますので、聞き手は今聞いた一文を頭の中で反芻する時間が取れます。

話をしっかり理解することができます。

これらの効果によって、聞き手が安心して話を聞けます。

すると、聞き手は「聞いているよ」と表情になるので、話し手はとても話しやすくなります。


実は、ベーシックコースを受講される方は、当初は早口で話す方がほとんどです。

もともと人前で話すことに苦手意識をお持ちなので、話しを早く終わらせたい、という意識が働くのでしょう。

早口は習慣になっているので簡単には変えられません。また、緊張に耐えながらゆっくり話すのは、それなりに勇気がいることでもあります。



そうした方々が、ゆっくり話せるようになるには、ゆっくり話そうという意識を強く持ち、相応に練習を重ねることが必要です。

今回修了された方々は、そうした努力をされ、その結果、ご自身の話し方を変えられました。

これは、本当に素晴らしいことだと思います。


今回修了された皆さん、本当にお疲れ様でした! これからも、ぜひ、話し方の勉強を続けてくださいね。
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